2014年8月7日木曜日

北京はBeijingかPekingか?

日本語では中国の首都・北京をペキンと読みますが、英語ではBeijingとしばしば表記されます。中国語でも北京はベイジンと呼ばれています。

しかし、ペキンは日本語だけで使うというわけではなく、Pekingという英語表記は実際にあるし、北京大学は英語でPeking Universityと名乗っています。

その理由はこのページに簡潔にわかりやすく書かれています。

Why was the capital of China once called Peking but is now called Beijing?

Prior to 1958, the Chinese government used the Wade-Giles system to transliterate Chinese characters into the Roman alphabet. After 1958 the government switched, and the rest of the world followed, to the pinyin system of transliteration so now we call the capital city Beijing (pinyin) instead of Peking (Wade-Giles).


どうして中国の首都はかつてペキンと呼ばれていたのに、今ではベイジンなのですか?

1958年以前、中国政府は中国語の文字をローマ字で書くときにウェード(Wade-Giles)式を使っていました。1958年以降、中国政府はローマ字表記法をピンイン(pinyin)に切り替え、世界各国もそれに追随しました。そういうわけで、今では私たちは中国の首都をウェード式のペキン(Peking)ではなく、ピンインのベイジン(Beijing)と呼んでいます。

北京大学は政府の決定に安易に追従せず、頑なに伝統を守っているということですね。日本語では外国の都市名をできるだけ現地読みに近いカタカナで表記していますが、その法則に従うならばベイジンと書くべきなのかもしれません。しかし、一度日本語として定着してしまったものを変えるのは難しいということでしょう。

「飛んでイスタンブール」という歌が昔流行ったせいで、トルコの首都はイスタンブールと呼ばれていますが、現地語では明らかに「イスタンブル」です。

どこかのバカな人が最初に「ラムサール条約」(特に水鳥の生息地として国際的に重要な湿地に関する条約)と書いてしまったので、日本では誰もがこれで覚えてしまっていますが、イランの現地に行くと明らかに「ラームサル」です。こういう例は日本語にはいくらでもありそうです。

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