2014年12月18日木曜日

野菜の英語

アメリカの野菜はでかくまずいです。アメリカで野菜を食べると日本のおいしい野菜がなつかしくなってきます。その代わり、日本の野菜は値段がとても高いですね。トマト1個100円というのは世界最高レベルではないかと驚きます。

ちなみに、アメリカはマヨネーズもまずいです。キューピーマヨネーズがアメリカで密かなブームという話も聞きますね。

さて、野菜の英語がとっさに出てこないことがあるのでおさらいしておきましょう。日本語もときどき使われています。果物では柿(persimmon)もkakiと書かれているのを見かけますね。

ピーマン bell pepper
ホウレンソウ spinach
ダイコン raddish(daikon raddishも見かけます)
カボチャ squash(ハロウィンのかぼちゃはpumpkin)
タロイモ taro
ジャガイモ potato
サツマイモ sweet potato
シイタケ shiitake mushroom
タケノコ bamboo shoot
ナス eggplant
タマネギ onion
ショウガ ginger
ニンジン carrot
ニンニク garlic
ブロッコリー broccoli
セイヨウワサビ horseradish(寿司屋ではもちろんwasabi)
レタス lettuce
キャベツ cabbage
キュウリ cucumber
モヤシ bean sprout
トウモロコシ corn
ブロッコリ broccoli
パセリ     parsley(発音注意)
ハクサイ napa cabbage
アスパラガス asparagus
アボカド avocado
トマト tomato
トウガラシ chili pepper
ネギ green onion
メキャベツ Brussels sprout

日本のスーパーマーケットでは見かけない野菜もたくさんあります。例えば、アーティチョーク(artichoke)ですが、どうやって食べるのか私には想像もつきません(笑)。

2014年12月10日水曜日

携帯電話の英語

日本では携帯電話やタブレットPCやノートパソコンそのもの、または移動しながらそれらの端末を使うことをモバイルと言いますが、アメリカでモバイルと言ってもなかなかわかってもらえないだろうと思います。

それはモバイルという発音がアメリカでは通常使われないからで、おおよそモーブルと言っているように聞こえます。モバイルというのはおそらくはイギリス英語の発音に近いのではないかと思っています。アメリカに行ったらモバイル、モバイルと言わないようにしたいですね。

携帯電話のことをアメリカではcell phone(cellar phoneの意味)と言います。イギリス英語ではmobile phoneです。とあるアメリカのテレビドラマを見ていたとき、ロンドンからニューヨークに遊びに来たイギリス人とされる登場人物が携帯電話のことを「マイ・モバ~イル」とわざとらしく発音していたので、イギリスではmobileだけでも携帯電話の意味になるのでしょうね。

私が驚いたのはデルタ航空の安全ビデオでmobile phoneと言っていたことです。アメリカでは当たり前のcell phoneという言葉が世界的に通用するわけではないということを考慮して、わざとmobile phoneにしたのだろうと思われます。これには「英語の国際化」の意味を考えずにはいられませんでした。

しかし、デルタ航空にはcell phoneを使っている安全ビデオもあるので、どういう使い分けをしているのか気になっています。国内線と国際線で使い分けているのかも??

2014年12月8日月曜日

パスポートを盗まれました

海外旅行中は安全な日本では考えられないようなトラブルが起こります。パスポートは命の次に大切などと言われますが、本当でしょうか?ぶっちゃけ私はお金の方が大切だと思っています。

パスポートがなくなっても日本大使館に駆け込めばなんとかなるでしょうが、お金もクレジットカードもすべてなくなったら日本大使館まで行くすべもなくなってしまいます。もし日本大使館から離れた都市にいたらいったいどうすればいいのか私には想像もできません。路上で乞食でもしますかね?

さて、海外旅行で使える英語のフレーズがとあるサイトで紹介されていました。

パスポートを盗まれました。
I was stolen passport.

なんでやねん(笑)。

英語として通用するフレーズは

My passport was stolen.
I had my passport stolen.
My passport got stolen.

といったものだと思います。日本人の英語は本当におそろしいです。

さて、この年末年始にボリビアに行くことになっているのですが、飛行機でいきなり標高4,000mの空港に着くなんて、高山病が怖いなあと思っています。ラパスの治安もあまりよくないようで、最終手段であるクレジットカードをあちこちに分散して持ち歩きたいと思っています。何事もなく無事に帰れますように。

2014年12月3日水曜日

日本人の名前をアルファベットでどう書くか?

英語で自分の名前を書くときは名-姓の順に書くのが私のやり方です。何らかの特別な指定がない限りは必ず「Tetsuhiko Yoshimura」と書いています。

メールクライアントの設定ももちろん「Tetsuhiko Yoshimura」としています。「吉村哲彦」と日本語で設定するのはやめた方がいいですね。相手が日本人でなかったらパソコンで文字化けする可能性があるし、日本語がわからない人にはそもそも誰だかわかりません。日本語(全角文字)の名前をメールクライアントに設定している日本人がよくいますが、外国人にメールを出すことはないのかなと心配になります。

アメリカ人は当たり前のように自分の名前を名-姓の順で書くので、 メールクライアントの設定を「Tetsuhiko Yoshimura」としていると、「Hi Tetsuhiko」と冒頭に書かれた返事が来ます。どちらが姓であるかを明示していないのに、「Hi Yoshimura」とはならないことにいつも安心しています。英語で名前を書くときはとにかく名-姓の順で書いておけば問題になることは経験上ありません。

日本の国語審議会が日本人の名前はアルファベットでも姓-名の順で書くようにと決めたらしく、実際にそうしている日本人をたくさん見ますが、それで本当にいいのでしょうか?日本人なのだから英語でも日本語の順番で名前を書くべきであるという考え方は私は間違っていると思っています。他国の言語文化を尊重せずに自国の方法を世界中でごり押しすることが正義とは思えません。

どちらが姓かがわからないので自分の名前をYOSHIMURA TetsuhikoとかYOSHIMURA, TetsuhikoとかTetsuhiko YOSHIMURAなどと大文字を使って書いている日本人も大勢いますが、私はこういうのを学術雑誌などでしか見たことがありません。どこででもこんな書き方をしているのは圧倒的に日本人に多いと思うのですが、おそらくはアホな国語審議会の推奨によるものでしょうね。こんなことしなくても名-姓の順番でふつうに書けばいいだけです。

さて、アメリカでは本名とは別にニックネームを持っている人が多いです。スタバでドリンクを注文したときにわかりやすいニックネームを言わないと(カップに名前を書かれるので)たいへん面倒なことになります。Tetsuhikoはアメリカ人にはいくらなんでも難しいので、わかりやすいニックネームが欲しいです。最近はTed(映画に出てきた変なクマの名前)と名乗っています。

2014年12月1日月曜日

教科書からMy name is ...が消えたらしい

livedoor newsに「英語の挨拶 my name isは古い言い回しなので教科書はI amに」という記事が出ていました。確かに、My name is ...という挨拶はアメリカで聞いたことがありません。フレンドリーであることが重要なアメリカにおいてこういう言い方は堅い感じがするので好まれないのだろうなと思います。ただ、間違っているとか使えないというほどの表現ではないと思っています。

さて、この記事でこの話よりも気になったのは「現在中学一年生の教科書ではI am Tanaka Ken.と、 I amと「姓―名」の順で名乗るのが標準なのだ。」「姓名の順は2000年に国語審議会が「国際社会に対応する日本語の在り方」で、日本人の姓名についてローマ字表記を「姓―名」の順にすることが望ましいと答申した」という点です。

英語の世界では名-姓なのだから、英語を使うときはこの順番にする方がいいと私は思っています。日本が姓-名だからと英語のときまであえてこの順番を使うなんて、それをわざわざ国語審議会とやらが望ましいと決めるなんて、バッカじゃないの?と思うのです。

個人の好き好きで姓-名を使うことについてはとやかくは言いません。私も自分の信念でアルファベットでは名-姓で書いています。ただ、国家レベルでどちらかが望ましいなどと決めて、日本の英語の教科書がそれに従っているのという状況は間違っていると思います。

どう名乗るかは個人の自由です。アメリカ社会には多様性を認めるおおらかさがあります。そういう英語文化を知らないのが日本の国語審議会のアホなセンセイなんでしょうね(笑)。

2014年11月26日水曜日

More Laptop or Just More Lap

英語の広告はウィットに富むキャッチフレーズがおもしろいのですが、鈍感な人には何のことやら意味がわからないという難しさもあります。英語の掛詞のようなものがあると、さらに難易度が高くなります。私もかなり鈍感な方なので、どういう意味なんだろう?と考え込むことが多いです。

この前デルタ航空の飛行機に乗ったのですが、個人モニターに出ていた「More Laptop or Just More Lap」(直訳:より多くの膝上あるいはただより多くの膝)の意味がわからず考え込んでしまいました。これはECONOMY COMFORTという通常より最大4インチ広い座席間隔と最大1.5倍のリクライニング角度のあるエコノミークラスの座席の宣伝です。ここで、下の絵を見ながら先ほどの言葉の意味を考えてみてもらえないでしょうか?


まずは前半(More Laptop)について考えてみます。「laptop」という言葉は英語ではふつうノートパソコンの意味です。これは「laptop computer」の略で、その意味は膝の上に置けるサイズのコンピュータです。その反意語はもちろん「desktop computer」(机の上に置くコンピュータ)ですね。

ここでは「laptop」は膝の上のノートパソコンを置く空間の意味だろうと思いました。座席間隔が4インチ広いということなので、ノートパソコンを置く空間が広がるということだろうと考えました。

次は後半(Just More Lap)です。「lap」というのは膝の意味です。座席のリクライニング角度が大きいとのことなので、座席を倒すと膝が前に出ることを意味しているのではないかと思われます。膝自体の長さはもちろん変わりませんが、膝が広い空間の中で伸びているような感覚があります。

以上をまとめると、「More Laptop or Just More Lap」の意味は「広い座席間隔を活用してノートパソコンで快適に仕事をしますか?それとも、リクライニング角度が大きい座席でただ膝を伸ばしてくつろぎますか?」ではないかと考えました。

アメリカ人は体が大きいので、しかもアメリカは国内線ですら飛行時間が長いので、日本人以上に座席の広さには関心が高いのだろうと思っています。

2014年11月10日月曜日

コーヒーにはコーヒーフレッシュ

東京の人に「関西ではアイスコーヒーのことをレイコーと言うそうですね」と言われ目が点になったことがあります。私は京都に20年以上住んでましたが聞いたことがありません。いわゆる死語というやつではないでしょうか?

コーヒーに入れる小分けされたプラスティックの容器に入った白い液体のことを日本語で「コーヒーフレッシュ」ということも知りませんでした。おそらくはどこかの会社の商品名ではないかと思われるのですが、言うまでもなく完全な和製英語です。「ミルク」と呼ぶ人も多いようですね。

この白い液体はアメリカでは(coffee) cream/creamerと呼ばれています。粉末タイプならばpowderedをつけておけば確実でしょう。これを日本語のようにmilkと言うと牛乳のことだと思われて通じないので注意した方がいいと思います。

2014年9月29日月曜日

アイドリングストップは和製英語か?

信号手停止時などにエンジンを止めるアイドリングストップはふつうに和製英語だと思っていました。こういう安直な英単語の羅列は和製英語の可能性が高いからです。実際にこの言葉は和製英語の例に挙げられており、idling stopなので「アイドリングしたまま停止」という意味になるという指摘もあります。

一方、本田、日産、マツダなどの日本の自動車メーカーが英語の海外サイトで、この言葉を使っていますが、英語圏で一般的に通じる言葉なのかどうかは別問題でしょう。

アイドリングストップのことを英語で何というべきなのか答えがわからないのですが、Wikipedia(英語)に「Start-stop system」という項目があるので、これを使っておくのが無難かもしれません。Stop/No idling campaignというのもあるようです。

未だに燃費の悪い大型自動車が好まれるアメリカで、このようなせこせこと燃費を改善するシステムに一般の人たちが興味を持っているとは思えず、どういう言い方をするにしても説明を要する言葉だろうなと思っています。

2014年9月15日月曜日

24時間制が使われないアメリカの時間表記

日本人は細かいことまで正確なのが好きなので、時間を表すときにしばしば24時間制を使います。私もよく19時とか20時と書きますが、それは朝の7時や8時と混同されないようにするためです。文脈からみて常識的に夜の7時や8時なのは当たり前であるときでも、混乱を避けるために24時間制で書くのが日本の常識かなと思っています。

アメリカでは24時間制はほとんど使われていないと思います。とあるアメリカのお店で営業時間の張り紙に「9-5」と書かれていたことに最初は驚きました。これは朝9時から夕方5時までという意味です。せめてamやpmをつけてくれたらいいのにと思うのですが、この張り紙のようにamかpmかは常識的な判断が求められることが多々あります。

また、アメリカでは24時間制における0:30(夜)を12:30am、24時間制における12:30(昼)を12:30pmと表記します。日本の12時間制では前者は午前0:30、後者は午後0:30となりますね。

アメリカではお昼の12時ちょうどは12:00pmで、深夜の12時は12:00amです。日本の12時間制では前者は午前12時であったり午後0時であったりし、後者は午前0時であったり午後12時であったりします。日本で24時間制が好まれるのは、このようなややこしさを避けるためであるとも言えそうです。

アメリカの時間は12時に始まり1→2→3→...→11時と推移します。つまり、アメリカには0時台という時間帯はないのです。ユナイテッド航空などアメリカの航空会社のeチケットの時間を読み解くときはくれぐれも注意して下さい。時間を間違えたらしゃれになりませんから。

2014年9月14日日曜日

朝から和製英語

喫茶店のモーニングと並ぶ朝の和製英語にモーニングコールがあります。ホテルに泊まったときにフロント(和製英語)に朝○時に起こして下さいと頼むあれですね。海外で早朝に起きないといけないときに何度か使ったことがありますが、ホテルのスタッフはあまり信用がならないので目覚まし時計を持って行くことにしています。

モーニングコールは英語で「wake-up call」 と言います。確かに意味としてはこの方がモーニングコール(朝の電話)よりも的確でしょうね。

朝7時にモーニングコールをお願いしたいときには

Could you give me a wake-up call at seven?

と言えばいいと思います。これだと24時間制をほとんど使わないアメリカでは7amと7pmの両方を意味していますが、常識的に午前と判断されます。

2014年8月27日水曜日

喫茶店の英語

喫茶店の朝食セットは日本語で「モーニング」と言われますが、英語的にはとても奇妙な言葉だなと思います。これだと英語では「朝」と言っているだけです。

喫茶店の「モーニング」は英語で「breakfast special」などといいます。このspecialはLongmanでは下記のように説明されています。

a lower price than usual for a particular product for a short period of time: a lunch special for $4.99

日本の喫茶店でコーヒーを注文するときに言う「ホット」もそうですね。これだと「熱い」です。

アメリカにおいてコーヒーはホットであることが当たり前なので、「hot coffee」と言わなくても「coffee」だけでいいです。ただ、近年アメリカの都市部ではアイスコーヒー(iced coffee)が増えてきたので、この状況は変わってくるかもしれません。

追記  マイナビニュースに載っている「アイスコーヒーは海外にはない?」という記事にはアイスコーヒーの呼称について

アメリカなら「コールドブリューイング」と言うと伝わりやすいです。

と書かれていますが、「いや~、それはないでしょ」と思いました。メニューにもふつうに「Iced Coffee」と書かれてますからね(笑)。

2014年8月24日日曜日

スワンナプーム(Suvarnabhumi)とは何なのか?

バンコクのスワンナプーム国際空港(ท่าอากาศยานสุวรรณภูมิ)を利用したことのある人は多いと思います。開港時はぼろぼろの悲惨な空港でしたが、着々と改善されて今ではずいぶん使いやすい空港になりました。イミグレの通過にもそんなに時間はかからず、いつもスムーズです。

この空港の名前のスワンナプームとは「成田」のような国際空港のある地域の名前だと思っていたのですが、実はぜんぜん違っていました。

Suvarnabhumiの意味は「Land of Gold(黄金の土地)」なのだそうです。Suvarnabhumiは東南アジアのどこかにあったと言い伝えられていますが、どこにあったのかはわかっていません。

この前バンコクのサヤーム博物館に行ったら、Suvarnabhumiは今のバンコク周辺部にあったことになっていました。歴史というのは国ごとに創作されるものであることがわかりますね。プミポン国王がバンコク新空港の名前をこのように名付けたのもタイの歴史がそうなっているからでしょう。

スワンナプームはアルファベットでSuvarnabhumiと書きます。どうしてこれをスバーナブーミとかではなくスワンナプームと読むのかタイの大学の先生にきいたのですが、わからないとのことでした。Wikipediaによると黄金の土地Suvarnabhumi(スヴァルナブーミ)のタイ語風の訛りがスワンナプームなのだそうです。

2014年8月20日水曜日

西鉄の英語

最初にお断りしておきますが、西鉄というのは西日本鉄道という福岡の鉄道会社です。西日本旅客鉄道(JR西日本)ではありません。この西鉄の天神大牟田線に大橋という駅があります。


「大橋駅」という日本語の駅名の下に「Ohashi Sta.」(Oの上に横棒)というアルファベット表記があります。日本語が読めない外人にも駅名がわかるようにという親切なのでしょう。

西鉄は「大橋駅」を英語表記にしたつもりなのでしょうが、Oの上に横棒がある文字は「お」ではなく「おお」であることを示すローマ字です。ローマ字は英語ではないので、こんな文字はもちろんアメリカではふつう使われないし、いったい誰のための「英語表記」なのだろうか?と疑問に思いました。

大橋は「Ohashi」と書けばいいと思います。これだと「おはし」と読まれるという心配があるのかもしれませんが、上に横棒がある変な英語よりもよっぽどいいと思いました。

Stationの略と思われるSta.という表記も日本でしばしば見かけますが、私はこのような書き方が大嫌いです。省略語というのは省略しても相手が正確に理解できるというコンセンサスがあってはじめて利用できるものです。面倒くさいから省略しても相手もわかるだろうという考え方は間違っています。

例えば、英語の論文で省略語を使うとき、最初は省略せずにフルに書いておいて、二度目から読者とのコンセンサスの下で省略語を使うことが許されます。もちろん、専門雑誌に掲載される論文で読者はみんな省略語の意味がわかるというのなら最初から省略語を使ってもいいでしょうね。

StationをSta.と省略することによりその意味を瞬時に正しく理解できる人の数は確実に減ってしまいます。それなら省略などせずにStationと書けばいいのです。どうしてもスペースが足りないので省略したいときがあるかもしれません。しかし、上の写真を見ればわかる通り、スペースなら十分にあります。

しかも、これはパーソナルな言葉のやりとりではなく駅名を示すオフィシャルな看板です。誰にでも正確に意味がわかるように書くべきです。日本ではSta.と同じくらいUniv.も多いですが、こういう省略語を安易に使うべきではないと思っています。

JR西日本の英語

日本はおもしろ英語の宝庫ですが、そういうのを見ていくことで日本の英語教育の弱点が見つかるように思っています。


「EX予約/5489サービスのお受け取りが可能です。」というプレートがJR博多駅(筑紫口)の切符売り場に掲げられていました。

まだ「JR CARD」などというものがあるのかという感動はさておき、

The receipt of this service is this window.

という英訳はいかがなものでしょうか?「EX予約/5489サービス」をロゴを掲げることでthis serviceと言うのはうまい方法ですが、この英語はちょっと無理がありますね。

これだと「受領が窓口である」という不可解な文章になっています。日本語で「このサービスの受領はこの窓口です」は可能だからといって、それを直訳するのは危険です。

実は「EX予約/5489サービスのお受け取りが可能です。」という日本語もおかしいと思います。受け取るのはサービスではなく切符ですよね。この変な日本語に英訳の方も連動してしまっています。

「クレジットカードご利用の際に、暗証番号が必要な場合がございます。」を

When the credit card is used, the password might become necessary.

と英訳するのも後半が特に美しくないです。クレジットカードの認証に必要な4桁の数字はPINと呼ばれることが多いです。

You may need to enter the PIN when using the credit card.

とか書いておけばいいのではないでしょうか?JRの窓口は経験的にはいつも「ここにサインして下さい」ですが。

2014年8月7日木曜日

ターキッシュエアラインズ(笑)

最近トルコ航空という表記を見なくなったと思いませんか?2014年2月より日本語名をターキッシュエアラインズに変更したそうです。

英語のTurkish Airlinesをカタカナにしたわけですが、ターキッシュエアラインズなんて言いにくいし、トルコ航空で完全に日本語の中で定着していたのに(しかも親しまれていたのに)、この変更はひどいと思います。

ターキッシュエアラインズはいくらなんでも長すぎます。これを考えたトルコ航空...じゃなくてターキッシュエアラインズの中の人ってどこまでバカなんでしょうね。

似たような例に、スイスインターナショナルエアラインズ(LX)があります。こういう長大な横文字は日本語ではだめだめですね。スイス国際航空の方がどれだけいいかわかりません。経営破綻したスイス航空(SR)と区別したかったのでしょうが、日本語の名前をつけるときには日本人の意見もきいた方がよかったと思います。

ところで、トルコ航空は現地語では「Türk Hava Yolları」と書きます。読み方は「トゥルク ハワ ヨルラル」と聞こえるのですが、いつもトルコ語の発音が悪いとトルコ人に怒られているのでたぶん違うでしょう(笑)。Havaの意味は空気、Yollarıは道なので、その意味は「トルコのAIR WAY」になります。まさにTurkish Airlinesそのままですね。

アシアナ航空は英語ではAsiana Airlinesで、エイジアナエアラインズと読みます。なぜ日本語ではアシアナなのかと言うと、韓国語でアジアはアシアと言うそうです。ちなみに、アシアナ航空は韓国語ではアシアナハンゴン(아시아나항공)です。

一度日本語の中で定着した言葉を変更するのは簡単なことではないことも強調しておきたいです。ANAは会社の名前をエー・エヌ・エーと呼んで欲しいようですが、たいていこれまで通りアナと呼ばれてますよね。どこにエー・エヌ・エーなどと長い名前をバカ正直に呼んであげている日本人がいるのでしょうか?ちなみに、NYで乗ったタクシーの運転手はアーナと呼んでいました。

北京はBeijingかPekingか?

日本語では中国の首都・北京をペキンと読みますが、英語ではBeijingとしばしば表記されます。中国語でも北京はベイジンと呼ばれています。

しかし、ペキンは日本語だけで使うというわけではなく、Pekingという英語表記は実際にあるし、北京大学は英語でPeking Universityと名乗っています。

その理由はこのページに簡潔にわかりやすく書かれています。

Why was the capital of China once called Peking but is now called Beijing?

Prior to 1958, the Chinese government used the Wade-Giles system to transliterate Chinese characters into the Roman alphabet. After 1958 the government switched, and the rest of the world followed, to the pinyin system of transliteration so now we call the capital city Beijing (pinyin) instead of Peking (Wade-Giles).


どうして中国の首都はかつてペキンと呼ばれていたのに、今ではベイジンなのですか?

1958年以前、中国政府は中国語の文字をローマ字で書くときにウェード(Wade-Giles)式を使っていました。1958年以降、中国政府はローマ字表記法をピンイン(pinyin)に切り替え、世界各国もそれに追随しました。そういうわけで、今では私たちは中国の首都をウェード式のペキン(Peking)ではなく、ピンインのベイジン(Beijing)と呼んでいます。

北京大学は政府の決定に安易に追従せず、頑なに伝統を守っているということですね。日本語では外国の都市名をできるだけ現地読みに近いカタカナで表記していますが、その法則に従うならばベイジンと書くべきなのかもしれません。しかし、一度日本語として定着してしまったものを変えるのは難しいということでしょう。

「飛んでイスタンブール」という歌が昔流行ったせいで、トルコの首都はイスタンブールと呼ばれていますが、現地語では明らかに「イスタンブル」です。

どこかのバカな人が最初に「ラムサール条約」(特に水鳥の生息地として国際的に重要な湿地に関する条約)と書いてしまったので、日本では誰もがこれで覚えてしまっていますが、イランの現地に行くと明らかに「ラームサル」です。こういう例は日本語にはいくらでもありそうです。

2014年7月14日月曜日

インドの首都はデリーかニューデリーか?

インドの首都はデリーなのかニューデリーなのか疑問に思っている人が多いようです。地図帳で有名な二宮書店のサイトによると、同社の地図帳では「デリー」と表記しているとのことです。


この質問をインドの大学の先生に投げかけたことがあるのですが、明確に「ニューデリー」という答えが返ってきたので、私はニューデリーだと思っています。というか、インド人が首都はニューデリーだと言っているのだから、インドの首都はニューデリーでいいに決まっています。

実際に行ってみると、デリーというとてつもなく広大な都市の中にニューデリーという首都機能を持った近代的な地区が存在しています。日本人には地区が首都であることに違和感がありますが、それは日本人の感覚なのだろうなと思いました。

二宮書店がよりどころとしている「世界の国一覧表」というのは、外務省の外郭団体「世界の動き社」が発行していたデータブックのことのようです。なぜ二宮書店はこんな怪しいものを信じているのでしょうね?ちなみに、Wikipedia(英語)でも日本の外務省のサイトでもインドの首都はニューデリーとなっています。

日本の首都は東京とされていますが、それが東京都なのか東京23区なのか三宅島も含まれるのか含まれないのか誰にもわかりませんよね。そういうのを定めた法律もないそうです。

フィリピンの首都はマニラと言われますが、実際には「Metropolitan Manila (Metro Manila)」らしいですね。ゆえに、マカティ市やパサイ市も首都の一部です。フィリピンの首都は「マニラ」ではなく「マニラ首都圏」とした方が正確でしょう。

行政区画や首都の定義は国によって違うので、そう簡単に割り切れるものではないということを知っておきたいですね。

インドの首都がニューデリーのなかデリーなのかを問うことは決して愚問ではないです。私はインドの先生に「good question」だと言われました。インドの首都がどこなのかわからなければインドまで調べに行ってはいかがですか?自ら調べようともしない二宮書店には猛省を促したいです。

2014年7月13日日曜日

ワシントンとはどこなのか?

「ワシントンに行ってきた」ととあるマイル系のブログに書かれていましたが、ワシントンという地名には気を付けないといけないです。なぜならアメリカにはワシントンD.C.とワシントン州があるので、「ワシントン」だけではどちらかわからないからです。

何の文脈もなしにワシントンと言われると、シアトルのあるワシントン州のことを考えるアメリカ人の方が多いのではないでしょうか?

このブログには成田から6,753マイルとも書かれていたので、ワシントンD.C.のことだとわかりましたが、「ワシントンに行ってきた」などとは書かない方がいいですね。

ところで、二宮書店という地図帳を作っている会社をご存じでしょうか?私は二宮書店の地図帳が大好きでした。しかし、この地図帳を作っている人たちは世界のことをご存じないようです。

二宮書店のサイトに「アメリカ合衆国の首都は「ワシントン」か「ワシントンD.C.」か?」というQ&Aがあり、「どちらも間違いではありません」と書かれていますが、アメリカ人は「ワシントン」とはふつう言わないです。「「ワシントンD.C.」と表記することが多いようです」とありますが、「ふつうは「ワシントンD.C.」と表記します」とすべきでしょうね。


間違いを指摘されたから2006年度発行の地図帳から表記を「ワシントンD.C.」に変えたのだろうと思われるのに、回りくどい言い訳をしているところが恥ずかしいと思いました。

2014年7月7日月曜日

ハンバーガーはサンドウィッチなのか?

アメリカではハンバーガーのことをサンドウィッチを呼ぶことがあり、これに???と思う日本人が多いようですね。英語のサンドウィッチ(sandwich)というのはパンの間に具を挟んだ食べ物の総称だと思います。だから、ハンバーガーもサンドウィッチというカテゴリーに入るのです。

アメリカでマクドナルドなどのファストフード店を利用するとき、サンドウィッチは重要なキーワードです。日本ではハンバーガーを注文するときにセットか単品かを指定しますが、アメリカではミール(meal)かサンドウィッチ(sandwich)かを指定します。単品だけでいいときは「Just a sandwich, please.」とか言っておけばいいです。

アメリカのマクドナルドで注文状況を観察していると「水」を注文している人がたくさんいることに気づきます。水は無料でもらえます。日本のマクドナルドでも水は無料でもらえたという報告がありますね。100円のハンバーガーと水を注文する勇気のある人はやってみてはいかがでしょうか?(笑)

2014年7月4日金曜日

#などの記号の読み方

アメリカの電話自動応答システムはオペレーターと話したいと思ってもなかなかつながらないように工夫されており(クレーマー対策かもしれません)、樹形図を書きながら本気で探検しないとオペレーターまで辿り着けないこともあります。そういうときは電話機の「#」や「*」を押してあっちに行ったりこっちに行ったりすることになります。

さて、アメリカでは「#」は日本語のようにシャープとは言わずパウンド(pound)と言われます。「*」はasteriskでいいのですが、しばしばstarとも言われます。シャープは本来縦線が垂直()なのだそうです。

JALに電話したときに英語音声を選択すると「press sharp」と(ガイジンの声で)言っていて驚いたことがあります。アメリカ人なら「press pound」と言うはずですけどね。

日本人がアメリカで通じにくくて困るものに「_」もあります。日本語ではアンダーバーと言いますが、アメリカではunderscoreの方が圧倒的に通じます。

「-」は日本語ではハイフン(hyphen)ですが、アメリカではダッシュ(dash)をしばしば使います。しかし、厳密には短い横棒がhyphen、長い横棒がdashであって、両者は区別する必要があるようです。一般のアメリカ人がこれらを区別して使っているようには思えませんけどね。

日本語では「A'」をエイダッシュと読みますが、アメリカではエイプライム(A prime)と言っています。ダッシュでは横棒との区別ができないと思います。

2014年7月1日火曜日

関西空港の英語

関西空港は日本を代表する国際空港...とまでは言いませんが、西日本の玄関口ではあるはずです。

そういう空港の英語表示なのだからきちんとしているのだろうと思っていたのですが、よくよく見るとかなりいいかげんなものでした。例えば、「Domestic Departures(North)」ですが、括弧の前は半角1文字空けないと気持ちが悪いとこのブログではいつも書いています。こういう書き方をしている時点で、全部だめなんだろうなと思ってしまうのです。


Toiletsとありますが、この表記はイギリス英語です。アメリカではこういう直接的な言葉は使いません。アメリカ英語ならRestroomsなどと書くべきですね。喫煙室がSmoking Roomなのに、コンビニエンスストアがConvenience storeというのはひどいです。なぜRは大文字で、sは小文字なのでしょうね?


関西空港で鉄道はRailwaysと書かれていますが、これもイギリス英語です。他にもいろいろありましたが、日本人が書いたんだろうなと思われるものばかりでした。

関西空港は今年9月に開港20周年を迎えますが、これまで案内板の英語に対して何の指摘もなかったのでしょうかね?

2014年6月21日土曜日

日本の英語教育に欠けているもの

神戸-関空ベイ・シャトルを使って神戸空港から関西空港に移動したのですが、時刻表の下部に書かれていた英文が非常に気になりました。

●For our board is scheduled to depart 5 minutes ago.Please wait -in the lobby,until the bording announcement. 
Between the pier from Kansai International Airport Passenger Terminal will arrive in about 6 minutes to7 minutes.

これは英語なんでしょうかね?bordingなんてのもあります。

関西空港の桟橋行のバス乗り場にも以下のような英文がありました。

●When you are ferry passengers, you don't have to pay bus fare. (as ferry fare contains bus fare) Please buy ferry tickets at the ticket booth on north side of the first floor in the kansai airport terminal next to exit A before entering the bus. Be aware that tickets for the ferry will not be sold at the dock.
●When you aren't ferry passengers, please get on a bus from the front door and pay bus tare.


これもまたおぞましい英語だと思いました。tareを払うとは何をするんでしょう?

あんまり言いたくはないですが、日本人のこういう英語は語感が全然働いていないという点で救いようがないです。何が原因なのかと言えば、やはり学校での英語の教え方に問題があると言えそうですね。英語の語感を高めるには多読しかないのに、教科書を丸暗記するような文法重視の学習方法では英文を読む絶対量が不足します。

非英語圏の英語の上手な大学生にどうやって英語の勉強をしたのかきいたらところ、ハリーポッターを英語で全部読んだと言ってました。日本人の英語学習にはこういう経験が決定的に足りないのです。

2014年6月15日日曜日

海外旅行で使えるCan I ~

海外旅行で必要な英語はほぼCan I ~(キャナイ)だけだと思ってます。これだけでほとんどの意思を伝えることができます。いちばん使うのはお店で何かが欲しいときです。

Can I have a cheeseburger?

飛行機の中でもビールが欲しいときは

Can I have a beer?

と言えばいいですね。駅へ行く道に迷ったときは

How can I get to the station?

クレジットカードで払えるかどうか尋ねるときは

Can I pay with a credit card/by credit card?

本屋さんでで旅行ガイドがどこかわからないときは

Where can I find travel guides?

許可を得るときもCan I ~でいいです。

Can I have a seat here?

困っている人がいたら

What can I do for you?

Can I ~(キャナイ)はいろんな場面で使える万能な言葉なので、海外旅行中ならこれでたいていなんとかなります。ただ、特に丁寧な言い方ではないということも頭の片隅に置いておいた方がいいかもしれないです。

2014年6月10日火曜日

still waterとsparkling water

ヨーロッパを旅行していて水のペットボトルを買うと炭酸水の割合がかなり高いことに気づきますが、私は炭酸水があまり好きではなかったので、いつも炭酸の入っていない水を求めていました。

水のペットボトルのパッケージをよくよく見て買わないと、ふたを開けた瞬間に泡がしゅわーっと出てきて、「しまったー!」と思うこともしばしばです。

イギリス英語では炭酸の入っていない水のことをstill water、炭酸水をsparkling waterと言います。イギリスで水を飲むときはstillかsparklingかをしっかり確認しないといけません。

イギリスに限らずイギリス英語に準じている欧州諸国ではおおむねstill/sparkling waterという言葉が通じます。mineral waterと言うと炭酸水だと思われることも多々あり注意が必要です。イギリス以外の国では英語以外の言葉も調べておかないと、ペットボトルのラベルには現地語で書かれています。

一方、アメリカではwaterと言えばふつうは炭酸の入っていない水のことなので、イギリスのように炭酸水かどうかに絶えず気をつける必要はないと思います。アメリカで炭酸水が欲しいときはcarbonated waterなどと炭酸水であることを明示します。

アメリカでも大都市のレストランではイギリス英語とされるstill waterが通じるという情報もネットにありましたが、アメリカにおける庶民的なレストランでの私の経験で言えば、waterを注文すると炭酸の入っていない無料の水が出てきます。「Just water, please」と言っておけば間違いないような(笑)。

2014年6月9日月曜日

レストランの食べ残しを持って帰るとき

中国や東南アジアのお金持ちはレストランでよく食べ物を思い切り残して帰ります。中国でお客さんがレストランでもてなされたとき、出てきたものをもったいないからと無理して全部食べたら、まだ足りないのかと思われてさらに食べ物が出てきたなんて話も聞きますね。

戦中・戦後の食糧難の時期を直接・間接に知る日本人は、食べ物を捨てることをよいことだとは考えていないので、中国や東南アジアで現地の人と食事をすると、こんなに食べ残すくらいなら注文するなよと思ってしまいます。

そういう場面で無理して最後まで食べようとすると、なんという卑しい人間なんだと思われるので、おとなしく食べ残した方がいいでしょう。私はいつも「アフリカの子供たちのことを考えてみんなで最後まで食べよう」と主張して嫌がられていますけどね(笑)。

食べ物を粗末にするのは中国や東南アジアの成金的な人たちで、本当に貧しい人たちは最後まで食べます。アメリカでもレストランで食べ残したら持って帰る人がとても多いです。

アメリカのレストランには食べ残しを持ち帰るための発泡スチロールのトレーが必ずあります。昔はそういうのをdoggy/doggie bagと呼んでいたようですが、若い世代はもうそういう言葉を使わないのだとか。

アメリカのレストランで食べ残したときには持ち帰りにしましょう。そうするのが当たり前なので遠慮はいりません。そういうときは

Can I take this home?

と言えばいいです。レストランのスタッフが食べ残しをスプーンですくって容器に詰めてくれて、さらにプラスティックバッグに入れて渡してくれたりします。そこまでしてもらっても無料なのですが、アメリカのレストランではチップという名のお礼が絶対的に必要になることをお忘れなく。これが面倒くさいんですよね。

2014年6月2日月曜日

ガラパゴスな電子辞書

大学の英語の授業に来る学生はほとんどが電子辞書を持参して来ます。今どきの電子辞書は画面はカラーでありとあらゆる辞書が満載ですごいですね。

日本ではどこにでもある当たり前の電子辞書ですが、海外では手に入れること自体が容易ではなく、電子辞書というものがほとんど普及していません。電子辞書は日本の典型的なガラパゴス製品だと思います。

私も昔は電子辞書を使っていましたが、今では使うことはありません。辞書はインターネットやスマホのアプリを使っているからです。

電子辞書は決して安い買い物ではありません。スマホで十分なのにどうして電子辞書を買うのかと学生に尋ねてみたところ、入学時に大学生協に売りつけられた、授業中にスマホをいじっていると怒る先生がいるなどと理由はあるようです。スマホのカメラでスライドの写真を撮ったら先生に怒られたこともあるのだとか。

授業中にスマホをいじっていたら怒る先生というのはどれだけ時代遅れなんでしょうね?手で書き写すような面倒なことをするよりもスマホで写真を撮るべきだと思いますが、それの何が悪いのでしょうか?

いつの時代にも新しいものについていけない頭の古い恐竜みたいな人がいて、今どきの若者はなんとかかんとかと愚痴を言ってるのには笑うしかないです。電話やFAXを使わないと仕事ができない人とかPDFファイルの文書をいちいちプリントアウトして読んでいる人とか本当にどうしようもないですね。

2014年5月22日木曜日

海外留学で英語は上達するか?

英語圏の国に留学したら英語が上達してぺらぺらになるかな~と思って30代後半でアメリカに留学しましたが、実際には全く上達しませんでした。ただ、いつもアメリカ人が話していることを耳をそばだてて聞いて、彼らがどのような言葉・表現を使っているのかを観察していました。これは大きな収穫だったと思っています。

アメリカに留学に来る日本人はたくさんいますが、英語圏の国に留学したら英語は上達するかどうかは年齢によるものが大きいと思っています。英語の上達には個人差があり、どのくらい積極的に現地人と交わるかによるものも大きいのですが、あえて言うと以下のようになります。

10代で留学したら発音までアメリカ人みたいになります。言語能力の発達における若さというファクターは大きいです。20代で留学したら英語を話したり聞き取ったりする能力は高まりますが、発音がなかなか上達しません。どうしてもアメリカ人のような発音にならず、日本語のカタカナ発音です。30代で留学したら英語はほとんど上達しませんが、生活や仕事をするには困らない程度には慣れてきます。40代以上は英語の上達を目的とした留学というのはほぼ無意味だと思います。

あと、英語(に限らず外国語)の上達は男性より女性の方が圧倒的に速いです。女性の言語能力の高さというのは本当にうらやましいと思っています。

英語を聞いたり話したりするだけでなく、英語を読み書きできる能力も大切だと思っています。研究者の仕事には実際のところこれだけで十分です、本当です(笑)。こういう能力は英語をたくさん読んで勉強すれば年齢にかかわらず上達するので何歳になってもあきらめないでいいと思います。私もまだまだがんばります。

2014年5月21日水曜日

変態大学から近大大学へ

YOMIURI ONLINEに「「変態」の意味あったので…近大、英語表記変更」という記事が出ていました。

近畿大は20日、2016年4月に予定している外国語・国際系の新学部開設に合わせ、これまで「KINKI UNIVERSITY」としていた英語表記を、「KINDAI UNIVERSITY」に変更すると発表した。
 

「KINKI」とほぼ同じ発音の英単語「KINKY」が「異常な」「風変わりな」といった意味合いで使われており、大学の国際化を進めるに当たって誤解されないようにするため、と説明している。

アメリカのテレビドラマなどで「kinky」(変態)は非常によく出てきます。海外で「Kinki University」と自己紹介したら小さな笑い声くらいは漏れ聞こえてくるかもしれませんね。しかし、「kinky」とスペルは違うので文字にしていれば問題はないはずです。

近畿がつく事業体は日本にはたくさんありますが、大手の近畿日本鉄道や近畿日本ツーリストはどうなるのだろうかと思いました。前者のホームページの英語表記はKintetsu Corporationとなっていて、後者はKintetsu Internationalを大きく出しており、すでに対策済みのようです。

日本語で普通に使っている言葉が海外では人前で言ってはいけない言葉であるというのは非常によくあることです。そこまでひどくはないですが、毎日空っぽのANA(全日空)も会社名を早くなんとかした方がいいと思っています。

2014年5月13日火曜日

Sorry about that.

時間にちょっとだけ遅れてきて友人を待てせてしまったときなど、アメリカで軽く謝るときに使われる常套句に「Sorry about that.」があります。

私が1年間アメリカにいた間に30回くらい聞いたので、非常によく使われていると思います。その経験から言うと、本当に謝る気持ちがあるのだろうか?と思うほど軽々しく使われています。

アメリカでは会社の不手際についてその会社の末端社員が謝ってくれることはめったにありません。例えば、飛行機が遅れて乗り継ぎができなかったりして客がたいへんな迷惑を被ったときに航空会社の係員のところに行っても、「このたびはご迷惑をおかけしてたいへん申し訳ございません」のような謝罪の言葉はなかなか聞けません。

なぜなら、飛行機が遅れたのはその社員の過失ではないからです。そういう場面で何ら謝罪の言葉など聞けなかったことも謝罪の気持ちの感じられない「Sorry about that.」と言われたこともあります。そして、アメリカにおいてはその社員が端末を操作して代替フライトを見つけてくれたら、客がその社員に「Thank you.」とお礼を言うのは当たり前です。

アメリカでディープに謝ってばかりいると逆にコミュニケーションの障害になり対人関係を悪化させかねません。そんな国で「Sorry about that.」は人と人の間の潤滑油のように効果的に使われていると思いました。

一方、とにかく謝ることが美徳・人徳であるような土下座国家日本では、一刻も早く相手が期待する以上に深く謝っておくのが効果的です。世間が勝手に騒いでいるのに、「お騒がせして申し訳ございません」などと冒頭から謝罪の言葉が入る日本は世界でも相当希有な国ではないかと思っています。

2014年5月12日月曜日

すみません、すみません、すみません

すみません、すみません、すみませんと日本人は誰にでもよく謝っているなと思います。私が日本で嫌だなと思うのは、たいしたことではないのに私が謝ることを期待している人がとても多いということです。こちらが「すみません」という言葉を発することを期待していて、そう言えばそれでいいのですが、言わなかったら怒っている表情が見て取れます。

日本語の「すみません」には「ありがとう」の意味もありますね。だから、英語なら「Thank you」というべき場面で、日本語では「(お手を煩わせて)すみません」と言います。日本人の英語で典型的におかしいのはその直訳で海外でも「Sorry」を連発することでしょうね。「そこ、謝るところじゃない!」といつも思っています。

ただし、アメリカ人もめったに「Sorry」と謝らないわけではありません。日本の英会話の本には歩いていてうっかり誰かと肩がぶつかったりしたときは「Excuse me」と言うように書かれていますが、私の経験ではぶつかったら「Sorry」と言われることが多いです。ぶつかったら「Sorry」、ぶつかってないなら「Excuse me」くらいでいいのではないでしょうか?

ところで、「Excuse me」や「Sorry」も下手をすると相手に喧嘩を売っているように聞こえかねないの注意が必要です。例えば、道を空けて欲しいときに「Excuse me」と言いますが、そこで語尾を上げて「Excuse me」と言えば、「そこをどけ(ゴルァ)」という感じが伝わってきます。同じ言葉でもイントネーション、顔の表情、その場の文脈によって言葉の意味は変わってくるものですね。

2014年5月10日土曜日

pleaseと言われても

中国東方航空など中国系の飛行機に乗ってビールなどを注文したときに、スチュワーデスさんがよく「Please!」と言って手渡してくれます。しかし、このように言われると私に何をしろというのかと一瞬考えてしまいます。

日本語では相手にモノを手渡すとき「どうぞ」と言います。そして、多くの日本人が「どうぞ=please」だと思っているので、日本人なら英語でそのように言いそうです。中国語の場合もやはりそうなのかな?と思ってちょっと調べてみました。

その結果はどうやら中国語で「please」に相当する言葉は「请(請)」(読み方はチン)で、こういう場面で日本語と同じように「请」を使うそうです。だから、中国人のスチュワーデスさんはいつも「Please!」と言って飲み物を手渡してくれるのでしょうね。

ちなみに、英語ではこういうときご存じの通り「Here you are.」などを使います。

Thank you for flying Air Mauritius

エア・モーリシャスの飛行機に乗っていたらテレビ画面に「Thank you for flying Air Mauritius」と出ていました。英語が得意な人ほどこれには違和感を感じるのではなかろうかと思っています。flyは「飛ぶ」という意味の自動詞なのではないのか、この場合「Thank you for flying with Air Mauritius」なのではないかと。

実は、flyには特定の航空会社やそのサービスを利用するという他動詞があり、Longmanにも次の二つの用例が出ています。

We usually fly economy class.
Millions of passengers fly British Airways every year.

このような言い方は現実に非常によく使われるもので、日本の航空会社も「Thank you for flying ANA」などと言ってますね。もちろん、自動詞のflyを使って「Thank you for flying with ANA」とか「Thank you for flying with us」と言ってもいいはずです。

2014年4月29日火曜日

ミルクティーは和製英語?

今香港に来ているのですが、大家楽というチェーン店でメニューを見ていたら、ミルクティーにtea with milkという英訳がついていて驚きました。

英語ではミルクティーのことをtea with milkと言ってmilk teaとは言いません。日本語でも牛乳紅茶と言ったら何のことかわかりませんが、英語でmilk teaというのはそういう響きなのだろうと思っています。tea with milkであればふつうのミルクティーが思い浮かびます。

そういうことを知っている日本人が「ミルクティーは和製英語なんだよー」とネットにたくさん書いていますが、それも間違いだと思います。milk teaはアジアで広く通用する英語だからです。

世界的に有名なタピオカミルクティー(珍珠奶茶)は台湾の春水堂が発祥だと言われていますが、その台湾でもミルクティーと言えば完全に通用します。アジアの国々ではメニューにもmilk teaと書かれていることが多いのに、香港の大家楽のメニューにtea with milkと「正しい」英語が書かれていたので驚いたのです。

中国系移民が急速に増えているアメリカなどの国々では、いずれmilk teaも正しい英語になるだろうと思っています。(もうすでになっているかも。)

2014年4月20日日曜日

wantを使わずに要求する言葉

アメリカなど英語圏の国で何かを相手に頼む時に「want」を使うのはたいへんはばかられます。「I want a coffee.」とお店で注文してももちろん意味は通じますが、直接的でぶしつけに要求するような感じがするのは否めません。

英語には日本語のような多様な丁寧語はありませんが、遠回しに言えば言うほど丁寧になるという法則があります。アメリカ人は日本人のように曖昧な返事はせずにイエス、ノーがはっきりしているとよく言われますが、現実には相手を気遣ってとても回りくどい言い回しをしていると思います。

アメリカで何かが欲しいときは「want」と言わずに「would like」を使う方がいいです。コーヒーショップでは「I'd like a coffee.」が自然ですね。「I was wondering if I could have a coffee.」は仮定法まで使って最高に回りくどいですが、その分ものすごく丁寧です(笑)。

ただ、「フレンドリー」が対人関係のキーワードであるアメリカ社会において、丁寧な言葉は相手との距離を遠ざけてしまうので丁寧であればあるほどいいというものでもありません。相手や状況に応じてほどほどに丁寧なのがいいと思います。

私がもう一つアメリカで多用する言葉が「need」です。この言葉は何かが欲しいという自分の意思を直接的に言わずに「必要である」と若干遠回しに表現しています。

「need」には客観的にそれが必要な理由があるというニュアンスも感じられるので、例えば予約をキャンセルしたいときの「I need to cancel my reservation.」のように使える場面はとても多いです。

2014年4月8日火曜日

「金のしゃちほこ」は英語で?

朝日新聞DIGITALに「「金のしゃちほこ」は英語で? 辞書も記載、由来を追う」という記事が出ていました。

「名古屋城のシンボル「金のしゃちほこ」は、城内で「ゴールデン・ドルフィン」と英訳されている。「あの外見で、なぜイルカ?」と不思議がる観光客も多い。」

こういういいかげんな英訳は日本の観光地にはいくらでもあふれています。英訳者の個人的趣向でそうなったのだろうと思われるのに、その由来を追うことにどういう意味があるのでしょうか?

この記事によれば、新和英大辞典第3版(1954年)から「ゴールデン・ドルフィン」と英訳していて、名古屋城総合事務所がそれを参照したようだということでした。つまり、研究社の和英辞典を作った人が「金のしゃちほこ」をなんとか英語にしようとしてそう書いたというだけの話ですね。

しかし、この記事を書いた新聞記者は過度に研究社の辞書を権威化し、辞書に書かれているのだから「金のしゃちほこ」の英訳としては「ゴールデン・ドルフィン」が日本のスタンダードであり、その由来を明らかにしたいと一人で熱く思い込んでしまったようです(あいたたた)。

そして、国際日本文化研究センターの先生のコメントまで取りに行ったものの「ドルフィンと訳して紹介されているとは知らなかった。でも、イタリア・ローマのバルベリーニ広場のイルカなど、名古屋の金のしゃちほこを思わせる意匠は世界各地にある。違和感はない」という答えにならないコメントしかもらえませんでした。

「ゴールデン・ドルフィン」の英訳の由来が知りたいなら研究社の辞書を作った人にきくべきです。英訳の背景にあるものが文化ではなく英訳者の単なる個人的趣向なのだから、国際日本文化研究センターに尋ねても理由がわかるはずがありません。

しゃちという言葉が英語にはなかったので何か適当な生き物を探していたら、体の反り返り具合がジャンプしているイルカに似ていたからそれにしたくらいの理由ではないかと思われますね。あまりのどうしようもない記事に、さすがは天下の朝日新聞だなと今日も感心してしまいました。

2014年4月7日月曜日

英語で1年半をどう言えばよいか?

英語で1年半はa year and a halfだよと簡単に答えられる人が多いと思いますが、この表現は実は非常に奥が深いです。one year and a halfと言ってもいいのでしょうが、これはあまりよくないと言っている人がいます。one year and one halfやa year and one halfは通常使わないそうです。

これ以外にもone and a half yearsという表現もあります。yearsと複数形になるのがポイントです。1を超えたら2未満でも複数形というのはわかりにくいルールですね。one and one half yearsは賛否両論のようです。

この手の表現は人によって好みもあるようですが、とりあえず無難な

1年半 a year and a half / one and a half years
2年半 two years and a half / two and a half years
3年半 three years and a half / three and a half years
...以下続く

を使っておけばよいのではないかなと思います。私の一押しは全く異論の出ていない後者の定式「X and a half years」(Xはone, two,...)だけを覚えることです。

2014年3月27日木曜日

What is your nationality?

海外旅行に行くと到着した国の入国カードにNationalityとあることがよくあります。ここにはJapaneseと書くべきなのでしょうか?それともJapanなのでしょうか?

ここはJapaneseと書いておけば問題になることはありません。My nationality is JapaneseあるいはI have Japanese nationalityの略としてJapaneseでいいのです。日本語では国籍と言われたら日本という国なのでJapanになりそうな気がするのですが、英語では「nationality=国家への属性」であって、「nationality=国家そのもの」ではないようです。country of nationalityならばJapanになるはずです。

これをもってNationalityに対してJapanと書くのは間違いだと主張している人がたくさんいますが、それもどうかと思います。アメリカのパスポートのNationality欄にはUNITED STATES OF AMERICAと書かれているそうです。そしてカナダのパスポートではCANADIAN / CANADIENNEなのだとか。ということは、細かいことを言わなければ、JapaneseでもJapanでもどちらでもいいのではないでしょうか?

「地球の歩き方」の凡例も必ずJapaneseですが、私はいつもJapanと書いています。その理由はそれが正しいと思っているからではなく、長い単語は書くのが面倒くさいと思っているからであり、Japanの方がJapaneseよりも3文字短いからです(笑)。

2014年3月22日土曜日

ハイブリッド化した日本語

この前訪れたブラジルのリオデジャネイロ(Rio de Janeiro)はカタカナにすると覚えにくいし口にするのも難しい地名です。「リオじゃないだろ」と現地で言ってもなんとか通じそうな気がしています。

アホなだじゃれはさておき、ポルトガル語でリオデジャネイロのRioは川、Janeiroは1月なので、リオデジャネイロの意味は「1月の川」なのだそうです。「地球の歩き方」によると、1502年1月にグアナバラ湾を発見したポルトガルの探検隊がこの湾を川と勘違いしたことに由来するのだとか。ポルトガル語に限らずフランス語などラテン系の言葉は「A de B」が「BのA」の意味になっていますね。

JALの「うどんですかい」は「空のうどん」という意味の巧みなだじゃれです。最初はおもしろいと思っていたのですが、こういう言葉があちこちで氾濫してくるとさすがにもう結構という気持ちになってきます。「スクラッチdeクーポン」とか「ネットde買い物」などは語順が逆で、もはやアルファベットで「de」と書く意味もないような気がするのですがどうなのでしょう?

日本語のハイブリッド化によって生み出される新しい言葉に最近興味を持っており、こういう言語文化を真剣に研究したらおもしろいのではないかなと思っています。

2014年3月21日金曜日

「人間として」という訳は適切か?

甘っちょろいヒューマニズムとアジアに土下座でおなじみの朝日新聞(DIGITAL)に「マレーシア機の捜索、豪が再開 範囲広く難航予想」という記事が出ていました。

この記事には「アボット豪首相は、国賓として訪問中のパプアニューギニアで記者団に「真相究明のため人間としてできる限りのことをやる」などと述べた」と書かれています。

この「人間として」という言葉に強い違和感があり、元の英語は何だったのだろうか?と思いました。

英語の記事を探したところ

We will do everything we humanly can to try to get to the bottom of this.

であったようです。このhumanlyを「人間として」と訳すのは正しいのでしょうか?

オーストラリア本土から遠く離れた広大な海域でオーストラリアの利益と直接関係のない困難を極める捜索のために多大な労力とコストを投じる理由についてアボット首相は「humanly」と述べています。

「人間として」という訳が間違っているとまでは言いませんが、「日本語として」違和感はたいへんなものです。なぜなら「(どこにでもいる一人の)人間として」ではなく「オーストラリア(国家)として人道的見地から」という文脈が存在しているからです。

ゆえに、このhumanlyは文脈を考慮すると「人道的見地から」と訳すべきです。機械翻訳レベルの仕事しかできない記者の言語能力を疑ってしまいますね。さすが、朝日新聞(笑)。

2014年3月18日火曜日

名詞における輪郭の有無

日本の学校では(今はどうか知りませんが)coffeeは数えられない名詞なので、a cup of coffee、two cups of coffeeなどとして数えると習いました。しかし、アメリカに行くとふつうにa coffeeと言ってます。ビールもわざわざa glass of beerと言わなくてもa beerで通用します。

名詞に輪郭があるとき、例えばりんごが一つならan apple、二つならtwo applesとすればいいわけで、非常にわかりやすいのですが、難しいのは輪郭のない名詞です。

例えば、コーヒーは液体であって明確な輪郭はありません。ところが、カップに注ぐと輪郭がなかった液体のコーヒーが輪郭を持つことになります。それゆえ、a coffeeで通用してしまうのです。アメリカではCan I have a coffee?でコーヒーを注文できます。

もちろん、これはイレギュラーな用法なのですが、長い言葉は短く省略されるという地球上の言語に普遍的な法則によって定着してしまっています。

英語の名詞では輪郭の有無が非常に重要になります。英語が難しいのは輪郭のない抽象的な名詞がしばしば複数形になって、しかもその意味が変わったりすることです。

そのような難しい名詞(例えばinstruction)の用法は一つ一つ覚えていくしかありませんが、そういうのが嫌になって人工言語のエスペラントに走る人も多いようですね。お気持ちはわかりますが、エスペラントは勉強しても役には立ちません(笑)。

2014年3月15日土曜日

南米大陸における英語

「英語」という言葉を聞いただけで身構える日本人の英語コンプレックスはすごいと思います。確かに、日本人の英語に対するセンスのなさはおそるべきだと思いますが、それでも南米の国々よりマシではないかと思っています。

南米大陸では英語はガチで通じません。この前行ったブラジルでも、空港にいる航空会社の人が頑なにポルトガル語で話してくるので、「English?」と言ったら首を横に振られました。飛行機の中でもアナウンスがポルトガル語しかないことがあり、今のは何だったのだろう?と疑問に思うこともしばしばでした。

ブラジルでスーパーに行くとレジで必ず何かきかれるので、「レジ袋は必要か?」ということなのかなと思ったのですが、どうもそうではなく、あれが何だったのか未だに疑問が解決していません。

外国人客の多い豪華なホテルに泊まったのに、客室のドアに「Be sure to lock the door when living the room.」と書かれていたり、ホテルのレセプションでも英語が通じなくて困ったりとか、数え上げたらキリがないほどです。

とにかく、南米大陸では絶望的にスペイン語とポルトガル語以外の言葉が通じないのですが、日本人との違いはあの大陸の人たちが全く英語コンプレックスを抱いていないことでしょう。これくらい潔いと気持ちがいいと思うほどです。

ブラジルに行くときはポルトガル語を少しは勉強しておいた方がいいのかと言えば、そういうわけでもなかったです。ブラジル人は異常に親切で、言葉が全然通じなくても困っていたら情熱的に助けてくれました。ブラジルではオブリガードだけ言えればなんとかなります(笑)。

2014年3月13日木曜日

「おやすみ」という訳は適切か?

マレーシア航空機墜落のニュースは常日頃飛行機で移動している私にはたいへんショッキングな出来事でした。アジアの航空会社には安全に問題のあるところがとても多いです。

これが中国へのテロではないことを願っています。もし中国の人権や政治問題に対するテロだとしたら、もう中国の飛行機には怖くて乗ることができません。(航空券が安いので最近よく乗っているのですが。)

さて、YOMIURI ONLINEに「了解、おやすみ…不明機パイロット最後の交信」という記事が出ていて、何が言いたいのか意味がわからず混乱しました。

この記事によると「同機が消息を絶つ直前、ベトナムの管制域に入る際、マレーシアの管制が「間もなくホーチミンの管制域に移る」と伝えたところ、パイロットが「了解。おやすみ」と応じたのが、最後の交信だった」とのことです。

まだ仕事をしている相手に「おやすみ」と言うなんて頭がおかしいです。航空管制官が仕事中に寝たらだめでしょ(笑)。誰もがそういう記事なのか思ってしまったのではないかと思います。

しかし、英語のニュースによると、これは(予想通り)「All right, good night」だったそうです。この「good night」を「おやすみ」と訳しますかね?

英語を翻訳するときは文脈がすべてだとこのブログでいつも書いていますが、この文脈では「おやすみ」と訳すのは明らかにおかしいです。日本の学校では頑なに「おやすみ」と教えているようですが、実際は必ずしもそうでありません。

洋画の吹き替えや字幕ではときどき「よい夜を」と訳されていますが(実際に文字通りそういう意味なのですが)、日本語的にはそういう言い方はあまりしないですね。これは夜に相手と別れる時の言葉で意味的には「さよなら」だと思います。

2014年3月11日火曜日

somethingとanything

中学の英語で肯定文ではsome(something)、否定文と疑問文ではany(anything)と習いましたが、この単純なルールには例外がたくさんあります。例えば、「飲み物はいかがですか?」と相手に問いかけるときは

Would you like anything to drink?

と尋ねますが、この文では

Would you like something to drink?

とすることもできます。相手に何かを勧めたりお願いしたりといった肯定的な答えを期待しているときには疑問文でもsome(something)が使えるからです。

これらの文の意味はほぼ同じでどちらを使ってもいいのですが、両者のニュアンスは微妙に違うそうです。前者では飲み物の選択肢がたくさんあって何でも選べるような状況で、後者では選択肢は限定的になっているとのことです。

確かに、選択肢がコーヒーと紅茶しかないときにanythingでは無理がありそうなので、somethingを使うべきなのでしょうね。

some(something)とany(anything)の使い分けはなんとなく雰囲気でわかるのですが、それがなぜかと問われると理由を説明するのが難しいものです。完全なルールとは言えませんが、肯定文だから疑問文だからという理解よりも、some(something)は「数量や名前が不明な何か」で、any(anything)は「不特定な何でも」としておくのが無難ではないかと思っています。

2014年2月24日月曜日

museum for fine arts

昔は紙の英和辞典を愛用していましたが、今では辞書はオンラインのものしか使いません。いちばん便利なのはやはり英辞郎ですね。英和としても和英としても使えるし、単語数が多いので重宝しています。

ただし、 英辞郎に書かれていることの信頼度は決して高くはないので、書かれていることを鵜呑みにしないような上級者向けの辞書であることは間違いないです。

例えば、英辞郎で「美術館」を調べたときにmuseum for fine artsと書かれていて驚いたことがあります。最近の英辞郎ではこの問題が修正されたようで、museum of fine artsになっていました。

英語圏ではない国にはmuseum for fine artsと称している美術館もあるようですが、アメリカではやはりmuseum of fine artsだと思います。有名なボストン美術館もそうですね。

museum for fine artsが間違っているとまでは言えないかもしれませんが、英語には「ふつうはそうは言わない」という表現がいくらでもあります。そういうのは理屈ではないので、多読を通して身につけていかないといつまでも英語は上達しないでしょう。

島根大学サテライトキャンパスin飯南

2014年3月15日(土)に「島根大学サテライトキャンパスin飯南」というイベントが開催されます。テーマは未利用資源を活用した地域活性化とのことです。日本の過疎地は存続が危ぶまれるぎりぎりのところまで来ています。こういうイベントが地域の活性化につながるとよいですね。

さて、ただ一つ私が気に入らないのは「○○in××」という イベントの名前です。もちろん、日本語なのになんで「in」なのですか?と言いたいのです。日本で開催されている多くのイベントにこのような名前がついていますが、違和感を感じている人は少ないのでしょうかね?

私は日本人としてイベント名によくある「○○in××」という書き方が大嫌いです。こういうのを見るたびに気持ちが悪くなってきます。日本人が日本語を操る能力が低下していることの表れだと思っています。

じゃあ、こういうときにはどう書くのかと問われそうですが、私なら「島根大学飯南サテライトキャンパス」と書きますね。なぜこう書けないのかなと思っています。

2014年2月23日日曜日

静かに(Silently)

車を運転していると「静かに(Silently)」と書かれた看板(注意書き)をしばしば見かけます。道路が住宅街のそばを通っているときなどに掲げられているのかなと思っています。


車は走れば音が出ます。静かにしたくてもどうしようもないです。道路管理者がアホなんでしょうけど、こんなのがあったところでドライバーは何をしていいのか全くわからないですね。

日本語の「静かに」もどうしようもないですが、「Silently」と英語で書いてあるのはもっと意味がわかりません。Silentlyは副詞なので、これだけで静かにせよという意味にはなりません。これを訳した人はきっと、「静かな」はsilentで「静かに」はsilentlyだと単語帳か何かで機械的に覚えたんでしょうね。

「Drive silently」などとしておけばよかったかというと、そういうわけにもいきません。silentとquietを比べると、前者が全く音のない完全な沈黙であるのに対して、後者はわずかな音はあっても気に障るようなものではないという状況です。つまり、silentな状態で車を走らせるなど不可能なのです。

もしかして、これは車の中では音楽を聴いたりしゃべったりせずに完全な静寂を保って運転せよという意味なんでしょうかね(笑)。

The University of 地名

銀行と同様に大学もUniversity of+地名と書くのが一般的です(もちろん、地名+Universityでもいいです)。例えば、東大の正式名称は定冠詞がついたThe University of Tokyoです。

私が昔留学していたカリフォルニア大学(デービス校)では、定冠詞のないUniversity of Californiaしか見たことがなかったので、これが正式名称なのかとずっと思っていました。(もちろん、文中に出てくるときは文法に従いtheがつきます。)

ところが、最近発見した大昔に作られたと思われる大学のロゴではThe University of Californiaとなっていたので、おそらくはカリフォルニア大学の正式名称にはtheがついているのでしょう。


大学名の最近の傾向として、カリフォルニア大学のようにあえて定冠詞を使わないことで大学の権威よりも親しみやすさを打ち出しているように思われます。


ちなみに、東大は海外では完全なる無名大学で、ふつうの人は誰も知らないので、英字新聞などではほとんどTokyo Universityと書かれていますね。

Bank of 地名

京都銀行が店舗の周囲にBank for Kyotoと書いていて驚いたことがあります。京都のための銀行、京都に貢献している銀行という意味なのかなと思いましたが、英語ではふつうはそうは言わないというレベルで間違っています。

正しくはBank of Kyotoであり、実際京都銀行の英語の正式名はThe Bank of Kyotoになっています。

このようにBank ofの後は地名が来るのが一般的で、Bank of Mitsubishiのような言い方はふつうはしないはずです。例えば、みずほ銀行はMizuho Bank、りそな銀行はResona Bank、旧三菱銀行はThe Mitsubishi Bankです。

私が疑問に思っているのは三菱東京UFJ銀行の英語の正式名称で、Tokyoの後ろにMitsubishi UFJがくっついてThe Bank of Tokyo-Mitsubishi UFJとなっています。Tokyoという地名が入っているからMitsubishi UFJがあってもいいということなんでしょうかね?

ちなみに、英語名では東京と三菱の順序が入れ替わっているのは、東京銀行の方が海外での知名度が高いからだと聞いたことがあります。それにしても、「三菱東京UFJ」なんてひどい名前ですよね。

a kind of a carは間違っている?

a kind of a car(a kind of a+可算名詞)は間違っている、正しくはa kind of car(a kind of+aのない可算名詞)であるという説明をよく見かけますが本当でしょうか?

a kind of a carは私にもやはり抵抗がありますが、a strange kind of a carなどは許容されると言っている人もいます。What kind of a car is it?という表現も使われているので、こういうのが絶対にだめとは言い切れないですね。

一方、a kind of carが可能な説明として、a kind ofが形容詞的に使われているというもの以外に、carの前にaがないので「可算名詞の車」(輪郭のある車)ではなく「車の性質」(輪郭のない車)を表しているというものがあって、これはおもしろいなと思いました。

さて、このようなkind ofを使う表現には次の二つのタイプがありますが、両者の意味は微妙に異なっていると言っている人がいます。

a. It is a kind of car.
b. It is kind of a car.

前者は「車の一種」という意味で、その意味しているものは(どんなものかはわかりませんが、いずれにしても)車です。後者は「1台の車のようなもの」という意味で、その意味しているものは一般的な車とは異なっている可能性があるとのことです。

2014年2月17日月曜日

ポルトガル語由来の日本語

カタカナ言葉はたいてい英語が語源だろうと思っていると、思わぬ落とし穴が待ち受けています。例えば、カステラに相当する英語はいくら探しても見つかりません。

カステラはポルトガル語です。日本は鎖国を続けていた江戸時代にも長崎の出島でオランダなどと交流があったので、そこから入ってきたのだろうと思ったのですが、キリスト教の布教を避けるため出島におけるポルトガル人は早々に国外追放になってしまったのだそうです。

実は種子島にポルトガル人が漂着して以降の16世紀後半にはカステラは長崎に伝えられていたらしいです。

日本語になったポルトガル語にはカステラ以外にも、コップ、ビスケット、カボチャ、カルタ、金平糖、タバコ、カッパ、パンなどいろいろあるようです。

この中でもいちばんの驚きは(諸説あるようですが)「天ぷら」がポルトガル語だったことです。天ぷらは海外でもよく知られた日本料理の代表の一つですが、その語源がポルトガル語だったなんてびっくりですね。完全に日本語化しているので、テンプラとカタカナ表記することもなくなっています。

ポルトガル語以外にもロシア語由来のノルマ、カンパ、インテリ、コンビナートなども日本語として定着しています。こういうのを調べてみるとたいへんおもしろいです。

2014年2月15日土曜日

I love you に対する返事

I love youに対する返事は次のどちらが正しいでしょうか?

a) Me too.
b) You too.

答えは b) です。I love youに対して、I love you, tooという返事が完全なのですが、前のI loveを省略してYou tooになるのです。a) だとI love me, tooになるので意味がわからないですね。

これと同様に、It was good to see youに対する返事としては、Me tooではなくYou tooが正しいです。日本語的には「お会いできてよかったです」に対して「あなたもです」と答えているわけなので、非常に違和感がありますね。とっさにMe tooと答えてしまうのは日本人には不可避かもしれません。

ちなみに、It was good to see youに対する返事としてYou tooだけではぞんざいなので、Have a nice eveningとかSee you tomorrowとか後ろに何かくっつけた方がいいと思います。

プレゼントありがとう

プレゼントに対するお礼を贈ってくれた相手に言うときに、以下のどちらが正しいでしょうか?

a) Thank you for your present.
b) Thank you for my present.

答えは a) です。基本的にmy presentというのは私がもらったプレゼントのではなく、私があげたプレゼントの意味です。どちらになるのかわからないときは

Thank you for the present.

などと言うこともできます。この場合話し手と聞き手が話題のpresentが何なのかを文脈の中で共有しているので、特定のものを意味するtheを付ければいいわけです。これだけで

Thank you for the present you gave me.

と同じ意味になります。こういうのは名詞にtheを付ける典型的なわかりやすい用例ですね。

2014年2月10日月曜日

embarrassedとashamedの違い

ツイッターでは有名な@Kelangdbnという人が英語の解説をされておられます。英語で「恥ずかしい」は何というのかという問いに対して、「embarrassedだと思いますけどね。ashamedは堅い感じ。」とお答えになっておられますが、これは正しいのでしょうか?


まず、英語で「恥ずかしい」は何というのかという問い自体に無理があります。このブログで何度も何度も言っていることですが、文脈がなければこの「恥ずかしい」がどういう意味なのかわかりません。言葉の解釈は文脈がすべてです。

embarrassedとashamedですが、前者は他人から笑われるような恥ずかしいことをしてしまったときの恥ずかしさです。例えば、渾身のジョークを言ったけど全然おもしろくなくて場をしらけさせてしまったときです。

後者は何かよくないことをしたことを心の中で恥じるような気持ちです。例えば、友だちの心を傷つけるようなことを言ってしまったことを恥じているというときです。

embarrassedは「恥ずかしい」、ashamedは「恥じている」と覚えておけばなんとかなるかもしれませんが、文脈によっていろんな意味になる可能性は捨てきれません。どういう意味かは結局文脈がないとわかりませんね。

自動車関係の英語

アメリカで自動車の免許を取得するときに苦労するのが、日本でしみついてしまった和製英語の数々です。なぜか自動車関係の用語には和製英語がとても多いのです。こういう言葉はよほど気を付けていないと、とっさに口から出てしまうものです。

ハンドル steering wheel
ウインカー turn signal
フロントガラス windshield
バックミラー rear-view mirror
クラクション horn
アクセル accelerator/gas pedal
サイドブレーキ parking brake
チェンジレバー gear stick/stick shift
ナンバー license number
ナンバープレート license plate(注:イギリス英語ではnumber plateを使うそうです)
パンク(したタイヤ) flat tire

ところで、アメリカでドライブするなら、いちばん重要なフレーズがこれだと思います。レジで前払いしないと給油できないガソリンスタンドが多いので本当によく使います。

Ten dollars of gas on pump #1, please.
(1番のポンプに10ドル分のガソリンを下さい。)

アメリカのガソリンスタンドはセルフ式でクレジットカードで払えるんじゃないの?と思う人が多いと思いますが、カードに登録された郵便番号の照合を行うケースが多く、日本のクレジットカードは基本的にセルフ式の機械を通りません。

I got a flat tire.
My car has run out of gas.
I was locked out of the car.

なども有用だと思いますが、幸い使ったことがありません。

あと、アメリカで運転中に警察に止められたら、車から降りずに手をハンドルに置いたまま話すというのを絶対に忘れてはいけないです。私は昔ティファナボーダーの直前で(メキシコに行くつもりはなかったので)強引にUターンしたら警察に止められて、車から降りようとしたらひどく怒られました(笑)。

2014年2月6日木曜日

隠岐のトカゲ岩

隠岐(道後)にはトカゲの形をしたトカゲ岩という有名な岩があります。この岩を見てトカゲではなくキツツキと思う人もいるようですけどね。


隠岐の観光名所に日本語と英語で書かれた案内版が必ず立てられているのはとてもいいことです。英語の方は日本語をプロが翻訳したようなのですが、詰めが甘いのはやっぱり日本だなと残念に思いました。

日本の英語版税関申告書もそうなのですが、たとえプロに翻訳してもらっても、印刷された段階で校正をする日本人が印刷屋の誤りに気づかないというのは日本ではたいへんありがちです。

JapaneseのJが小文字になっているのと、As a resultの前に空白がないのがとても残念です。

世界一美しい二枚貝

島根県に隠岐島があると思っている人は多いと思いますが、隠岐島という単独の島はありません。島根県にあるのは隠岐諸島です。しかし、隠岐諸島という意味で隠岐島ということはあるようですね。英語ではOki Islandsとしておけば間違いはないでしょう。

隠岐諸島は道後水道より東側の道後(島の名前は道後島とは言わずにただ道後と言われています)と西側の島前(中ノ島、西ノ島、知夫里島)から構成されています。

この前人生で四度目の隠岐旅行に行って来ました。フェリー乗り場の向かいにある隠岐自然館に行くと、ヒオウギというきれいな貝が展示されていましたが、その説明に疑問を感じました。


「英国のマーガレット王女が来日されたとき、 波部忠重博士(日本貝類学会副会長)が日本の貝について説明をした。王女はヒオウギを見て、その美しさに感激し声を上げた。「こんなきれいな貝は大英博物館にもない」と言ったという。」

その疑問は、大英博物館というは世界的に美しい貝をその美しさを理由として収蔵するような博物館なのかなということです。大英博物館は自然史博物館ではないのだから、ヒオウギの展示がある方がむしろ驚きです。

ところで、British Museumをどうして英国博物館ではなく大英博物館と訳したのか昔から疑問に思っていました。その答えがここにあって、そうだったのかと感激しています。

2014年1月30日木曜日

インターネット言語としては英語は圧倒的な存在ではない?

インターネットの世界は英語の情報量がとても多いので、英語がわからないと有益な情報にアクセスできないことになります。

特に学術論文は英語で書かれるのが基本なのですが、林業の世界では英語に次いで情報が多いのはドイツ語なので、ドイツ語もわからないと研究に支障が生じます。ドイツ語の文献を読まないといけないときは、いつも自動翻訳のお世話になっています。

ツイッターで@Kelangdbnという人が「インターネット言語としては英語は圧倒的な存在ではない」などとデータ付きで主張していて、そうだったのかと驚いてしまいました。


ところが、このグラフをよく見ると、横軸の単位がページ数ではなく、「Millions of Users」となっていることに気づきます(タイトルにもそのように書かれています)。インターネットユーザーの数なら中国人が多いのは理解できます。中国は分母としての人口が桁違いに大きいのだから、自動車の販売台数も携帯電話の普及台数も統計上の数値は中国が多くなってますね。

いずれにしても、このグラフを根拠に「インターネット言語としては英語は圧倒的な存在ではない」という主張するのは間違っているのではないかと思いました。このグラフの引用元のページに詳しくグラフの説明が書かれているので引用するなら読んでおくべきです。

2014年1月28日火曜日

現在完了形に使われるfor、in、over

現在完了形とともに使われる「for the last ten years」「in the last ten years」「over the last ten years」のようなfor、in、overはどのようなルールで使い分ければいいのか考えてみました。

forはある期間に状態が継続しているときに、inはある期間の途中で1回以上起こったとき、あるいはある期間の途中で1回以上起こる可能性があるのに一度も起こらなかったとき、overはある期間継続して(あるいは絶えず反復して)起こっていたときに使うと言えそうです。overと考えられる場合でも、ある期間継続していたことの結果として起こったことならばinでもいいようです。

weblioにはforのときは以下のような例文がありました。

a. There has been a gradual growth in membership for the last ten years.
b. I've seen nothing of her for the last ten years.

a.は過去10年間growthがあるという状態が継続していたのでforになっています。
b.は過去10年間会っていないという状態が継続していたのでforでいいのですが、過去10年間に1回以上起こる可能性があるのに一度も起こらなかったとも言えるのでinも使うことができます。

inのときはweblioには以下のような例文がありました。

c. He hasn't changed a hair in the last ten years.

過去10年間に1回以上起こる可能性があるのに一度も起こらなかったのでinになっていますが、過去10年間変わらなかったという状態が継続していたのでforも使えると思います。

overはweblioに次のような例文があります。

d. The birth rate has decreased [dropped] by 40% over the last ten years.
e. Thunderbolt Aerosystems has made many improvements over the last 10 years.

d.は過去10年間継続して減少していたのでoverとなっています。しかし、decreasedの直後に「by 40%」があり、過去10年間継続して起こっていたことの結果として40%の減少だったということなので、ここはinでもいいと思います。

e.は過去10年間継続して(あるいは絶えず反復して)起こっていたことなのでoverでいいです。

for、in、overの違いはそれほどはっきりしたものではなく、人によって言葉の使い方も異なるので、必ずしもこのルールに従っていないことが実際にあると思います。このルールがどれだけ正しいか今後も検証を続けていきたいと思っています。

2014年1月20日月曜日

英語の日本語訳は難しい?

英語を日本語に訳すのは簡単だと思っている人が多いと思いますが、外国語の本を全訳したことがある経験から言えば、翻訳というのは英語の理解のみならず日本語を上手に書く技術も必要だし、原文の意味を損なわない範囲で日本語の言葉が気持ちよく流れるように意訳する能力も求められ、本当に難しいと思います。

じゅんたこさんの書かれたブログ記事「「日本人なら必ず誤訳する英文」だって」を読んで思ったことを書いてみます。じゅんたこさんは、この英文の訳にある「欠如」は誤訳であると断じています。(その理由はリンク先をご覧下さい。)

Students who start their research projects,when confronted with the problem of proof,discover that the majority of the proofs that they may have criticized other researchers for failing to demonstrate are,in fact,extremely difficult to prove.

(訳)学生たちがいざ調査に取り組んで、証明の問題に直面すると、かつてほかの研究者たちの調査に欠如していると批判してきたであろう「証明」の大半が、実際には非常にむずかしいものであることに気づく。


しかし、これが誤訳とは私は思いませんでした。この程度は意訳の範囲内だと思うからです。これまで「実証できていないじゃないか」と他人を批判してきたのに、いざ自分で実証しようとすると予想以上に難しかったという原文の意味は損なわれていないからいいと思います。

私が気になったことは「projects,when」「proof,discover」「are,in fact,extremely」のように「,」の後に空白を入れていないことです。原著には空白があったのではないかなと思います。空白がないと本当に気持ちが悪いです。

日本語訳に関してうるさいことを言うなら、「調査」よりも「研究」の方がいいと思います。(もちろん、前後の文脈から適訳を考えないといけないですが、大学での学生の研究活動という意図だろうと想像しました。)

「批判してきたであろう」という訳も日本語的に気持ち悪いですね。受験英語ではこういう風に書いておかないと減点されるので昔は私もそうやってましたが、こういう不自然な日本語は意訳することでなくしていくべきだと思っています。原文が複数形だからでしょうが、「学生たち」とか「研究者たち」と律儀に訳しているのも受験英語の作法なのでしょうね。

この英文の翻訳に私も挑戦してみました。

「研究活動を始めたばかりの学生は、これまで実証に失敗してきた研究者を批判していた証明問題の大半が、実はきわめて難しいものであったことに自分でやってみて初めて気づきます。」

意訳しすぎですかね?前後の文脈がわかれば、それに応じてもっと大胆に意訳したいところです。素人の私にはこの程度が限界ですが、プロの翻訳家はきっともっと上手に翻訳すると思います。

2014年1月18日土曜日

日本人は日本語で書きましょう

こんな貼り紙を見つけたのですが、私はこういうのが大嫌いです。何が嫌いなのかというと、まずは左上「Let' s」と書かれているところのsの前の空白です。こんな空白を入れることに気持ち悪さを感じないのかなと思ってしまうのです。


おそらくは、全角文字を使ったのでそうなったのだろうなと思うのですが、このような2バイト文字は英語の世界では不要なものであって使われることはありません。文字化けの原因にもなるので、英語を書くときは全角文字を使わないのが鉄則です。

朝日新聞デジタルとかは英語を記事の中に書くときに平然と全角文字を入れてますが、読みにくくて仕方がないですね。URLまで全角なのですから徹底してます。さすが天下の朝日新聞、さすが...といつも感心しています。

そもそも、なんで「Let's」なんてわざわざここに書いたのかという疑問もありますね。J-POPの歌詞もそうなのですが、日本人向けの文章などに英語の言葉を入れる必要があるのでしょうか?英語は格好いいという日本人の英語信仰は本当に格好悪いです。

「Self produced learning」も私にはそれほどぴんと来るものではないですが(Self-designed learning?)、「学びのセルフプロデュース」という日本語の意味はもっとわかりません。中途半端に英語を使うからこんなことになってしまうのです。そう言えば、カタカナ英語がわかりづらいと最近NHKを訴えた人もいましたね。

2014年1月17日金曜日

英語版の税関申告書

この前カタール航空の飛行機で帰国したのですが、機内に日本語の税関申告書がないと言われて唖然としました。その前に使った中国東方航空の機内にもなかったのですが、最近はこういうのが常態化してるんでしょうかね?

幸い英語版の税関申告書はもらえたので、それに記入したのですが、英語版には「Nationality」という日本語版にはない国籍を書く欄があることに気づきました。日本語で書く人なら国籍は日本だろうと想定しているようです。しかし、日本語が得意な中国人が日本語版の税関申告書を渡されてそれに記入することも当然考えられるわけで、日本語だから日本人という決めつけは間違っていると思います。

日本語版の税関申告書には同伴家族欄に「20歳以上 名」「6歳以上20歳未満 名」「6歳未満 名」とあるのに、英語版ではそれぞれ「Adult」「Under 20 years old」「Under 6 years old」となっていて両者が整合していないという不思議もあります。

国によって成人年齢は違うと思われるのに「Adult」では曖昧ではないでしょうか?海外では18歳で成人になる国が多いと思うのですが、19歳だったら「Adult」なのか「Under 20 years old」なのかわかりません。

その後の「Under 20 years old」「Under 6 years old」も、5歳だったら両方に該当してしまうという曖昧さがあります。なぜこのような仕様になっているのでしょうかね?外国では6歳以上20歳未満のような書き方はしないと考えたのでしょうか?そんなことは決してないと思いますけどね。

英語版の税関申告書は英語を母国語とする人のチェックを受けているようですが、それでもやはり日本人の作ったものだなと思われるところがいくつか見られます。

「Cash, Checks(including T/C)」のところですが、日本人の英語でありがちだとこの前も指摘しましたが、Checksの後に空白を入れないのは非常に気持ち悪いです。その後の「Promissory  Notes」も無駄に一つ多くの空白が入っているようで、気持ち悪すぎます。

英語のチェックは受けていることはわかるのですが、最後に印刷屋がレイアウトしたものを校正したのが日本人だったので、空白のおかしさには気づかなかったのだろうなと思われるのです。

2014年1月14日火曜日

A Happy New Year

年末年始はタイ、上海、ドーハ(カタール)、モロッコ、スペインと長期の旅に出ていました。この前帰国したばかりなのですが、その直後に関西空港から福岡までピーチの飛行機に乗ったときの搭乗券の英語を見て日本に帰ってきたなとしみじみ思ってしまいした。


全体的にツメの甘い英語だなと思われるのですが、そのくらいは許すとしても「OOKINI!!」「A Happy New Year!」がよろしくありません。

ピーチは関西空港を拠点とする航空会社なので関西弁の「おおきに」をアルファベットで書いたのでしょうが、外国人には難し過ぎます。こんなのを喜んでいるのは日本人だけでしょう。関西系日本人の独りよがりだと言えます。

「A Happy New Year!」は今さら言いたくないですが、英語として間違っています。こういう挨拶では「A」は不要で、「Happy New Year!」と書かなくてはなりません。日本の年賀状に「A Happy New Year!」と書くのは明らかにおかしいです。日本人同士で送ってるんだから、「あけましておめでとうございます」と日本語で書けばいいのにと、「A Happy ...」を見るたびにいつも思います。

「I wish you a happy new year!」と書くではないかと反論する人もいるようですが、挨拶ではなく通常の文章になっているので、この場合は「a」が必要です。

クリスマスの場合も挨拶では「Merry Christmas!」ですが、文章では「I wish you a Merry Christmas!」ですね。

ところで、Christmasにどうして「a」がつくの?Christmasは可算名詞なの?という疑問が起こるのですが、このChristmasは可算名詞と考えていいと思います。私は実際に見たことがないのですが、「And may all your Christmases be white」という複数形が出てくる歌詞もあるようです。

「A Merry Christmas to you!」とか「Merry Christmas and a happy new year!」も見たことがありますが、これも文章化しているところに不定冠詞がついたと考えるべきでしょう。

ちなみに、今どきのアメリカでは企業などがクリスマスの挨拶に宗教色を出さないように配慮しているので、「Merry Christmas!」ではなく「Happy Holidays!」などといった味気ない言葉がたびたび使われます。

日本でよく使われる「Happy Merry Christmas!」は見たことがないですね。これも英語ではありがちな(間違っているわけではないけれど)「ふつうはそうは言わない」というレベルのものではないかと思っています。