2013年10月21日月曜日

次の駅は「is」か「will be」か?

今日東京駅から東海道線で横浜駅に移動しました。そのとき、車内で流れる電光掲示を見ていたら、「The next stop will be Kawasaki.」などと出ていました。

次の駅は川崎だと決まっているのに、どうしてここで「will be」を使うのか?「will」は「~だろう」という推量を表しているので、「次の駅は川崎だろう」になるのではないか?この場合は「is」を使うべきではないか?来日したイギリス人もそう言っていた等という指摘や主張が日本語のインターネットサイトにたくさんあります。

「is」を使うのはもちろん適切です。現時点で次の駅は川崎だということは事実としてわかっているからです。一方、「will be」の場合は未来のある時点でそういう状態になる(=現時点ではまだそうなっていない)と言っています。上の文は、

The next stop we will be stopping at is Kawasaki.

と同じ意味だと言えるでしょう。

もちろん、「will」には「~だろう」という推量の意味もあるのですが、どうしてここではそうならないのかというと、英語は(このブログで何度も書いているように)文脈によって解釈されるからです。 「The next stop will be Kawasaki.」は前後関係のない独立した文ですが、スケジュールに従って走っている電車に乗っているという状況から考えて、「次の駅は川崎だろう」などといいかげんなことを言っているとは到底思われないわけで、それこそが英語を解釈するのに必要な文脈というものです。「will be」に文句を言っている人たちは英語の解釈に不可欠な文脈というものを考えていないのではないかなと思うのですが、どうでしょうか?

2013年10月3日木曜日

auroraは通じない

北極圏地方で美しいオーロラが見られる季節が近づいてきました。オーロラは夏でも出ているらしいのですが、天気が安定しない(雲が多い)ので冬の方がオーロラを見るには適しているのだそうです。

私もアラスカのフェアバンクスに今の時期にオーロラを見に行ったことがあるのですが、やはり雲が多くて見ることができませんでした。毎晩何時間も一人で空を眺めていたのに、見ることができなかったのは残念でならなかったです。いつかリベンジしたいと思っています。

オーロラをツアーで見に行った人にオーロラを見に来ているのは日本人ばかりという話を聞きます。オーロラに興味があるのは日本人が多いというのは確かなようで、私がアラスカでオーロラを見に来たと言ったら、同じ宿のドイツ人などはそんなの何がおもしろいの?という感じでした。

さて、日本ではオーロラと言いますが、auroraは発音が難しく、私がいくら言っても通じないことがありました。ようやく、「あー、northern lightsのことか」と言われたことが今でも記憶に鮮明に残っています。その上、auroraという言葉はあまり一般的に使われていないようで、northern lightsと言えば100%伝わるのにauroraの通用度は今ひとつというのは確かなようです。

発音もnorthern lightsの方が日本人には簡単だと思います。auroraの発音にチャレンジしたい方は、こちら(Au-ro-raの右のスピーカーの絵をクリック)で発音を聞いてみて下さい。

日本人の英語力の判別法 (2)

英語の肯定文の最後は「.」(ピリオド)を打つと学校で習いますが、必ずしもそうでない場合があります。例えば、

The results are shown as follows:

Please refer to the following references:

のように、as followsやfollowing XXXの後は「.」(ピリオド)ではなく、「:」(コロン)になります。これは学校では習いませんでしたが、英語を読んでいれば必ずこのようになっていることを経験的に知ることになります。

ところが、日本人の場合は英語をたくさん読んでいないのか、注意深く読んでいないのかわかりませんが、このような場合でも90%以上の確率で「.」で終わっていますね。「.」になっていると日本人の書いた英語だとすぐにわかります。

「.」というのは、そこで文章が完全に終わるときに使います。「:」は言い換えるときや具体例を挙げるときにしばしば使われ、その前後の文章が切れることなくつながっています。as followsやfollowing XXXの後に「.」が来ると文章がそこで終わってしまうので、上記のような切り離せない前後関係があるときに使うのは適切ではありません。

The results are shown as follows.

Please refer to the following references.

などと書かれているのを見ると、私はなんとも言えない気持ちの悪さを感じます。これを見てもしなんとも思わないなら、英語を書くのに必要な語感が身に付いていないということなので、もっともっと英語を読みまくらないといけないですね。

2013年10月2日水曜日

Singlishがおもしろい

シンガポール人の英語は独特の文法と発音なのですが、それを揶揄してSinglishと呼ばれます。インド人の英語と並んでわかりにくいと言っている日本人が多いようですね。

Singlishの特徴としてはマレー語との融合がとても多いことだと思います。Singlishは英語としては語順がしばしばおかしいのですが、それはマレー語の語順だったりします。また、Singlishではよく主語が省略されますが、それはマレー語でも同じです。Singlishでは動詞の過去形がしばしばないのですが、マレー語にも時制による動詞の変化はありません。

Singlishはマレー語の文章の単語をそのまま英語の単語に置き換えていることが多いので、マレー語に慣れているとSinglishにはさほど違和感を感じなくなります。Singlishはマレーシア人の英語とも似ていて、典型的には「OK lah?」と語尾にラをつけることが多いです。「can」が非常によく使われますが、その用法はマレー語の「bisa(~できる)」と同じです。

Singlishはアジアなまりの英語だとバカにせずに、それに正面から向き合ってみるとおもしろいと思います。私はSinglishが話せるようになりたいなといつも思っています。